生薬研究で全草解明に挑む!

グレートフラワー・マリーローランサン全草解明図

「マリーローランサン」が引き起こす驚きの現象。その謎に迫る。

徳島文理大学 生薬研究室

マリーローランサンの研究に取り組む徳島文理大学製薬部の橋本敏弘教授。その研究室に伺い、研究内容や成果についてインタビューしました。健康や老化予防のお話しも、ふんだんに登場します。

世界初の「サポニン」成分の発見

生薬研究とは、身近なところでいえば薬草の研究です。この薬草は、一般的に毒性が少なく長期間使用が可能です。そして、シンビジウムなどの機能性素材を使った食品は、病気の予防、生活習慣病の予防に効果があるものが多くあります。

そこで、私どもの研究室が取り組みましたのは、シンビジウム全草、特に根と葉の成分研究です。この研究では、皆さんがよく耳にする成分も発見されています。「サポニン」と「ポリフェノール」です。マリーローランサンの葉の中には「サポニン」が非常に多く含まれています。まだ、研究を始めたばかりですが、9種類の新規の「サポニン」が発見され、いわゆる世界初の「サポニン」の取り出しに成功しました。

「サポニン」の語源は「シャポン」に由来しています。つまり、石鹸(せっけん)のシャボンと同じで、水に溶ける性質があります。また油にも溶ける作用があります。ですからこのような特性を生かして、マリーローランサンの葉を使った石鹸や青汁の開発が考えられますね。

動脈硬化や肥満の予防に効果がある「サポニン」

「サポニン」には、動脈硬化を抑制する働きがあります。血管についたコレステロールを取り除き、血中脂質を低減する働きがあること明らかになり、動脈硬化を進めるという過酸化脂質の生成を抑える働きがあることが分かりました。

また、脂質の合成や吸収を抑制する働きがあるので、肥満予防にも有効であるといわれています。さらに継続して摂取すると、太りにくい体質になるともいわれています。現段階で「サポニン」の効果・効能が期待されるものとして挙げられているのが、老化・抜け毛、薄毛・肥満・動脈硬化・コレステロール・血栓・高血圧・肝臓病・がん・痰などの抑制効果です。

マリーローランサンの葉には、この「サポニン」が多く含まれていますが、これには抗酸化作用や抗菌作用があることが分かっています。抗酸化作用は、酸化、つまり人体がサビていくのを防ぐわけですから、老化予防(アンチエイジング)の作用です。また、抗菌作用は菌がはびこるのを抑える力があるわけですが、こうした作用は、石鹸などにふさわしい効果ですね。

糖尿病の改善やがん予防にもなる「ポリフェノール」

また、マリーローランサンには、ワインなどに多く含まれ、健康によいといわれる「ポリフェノール」が多く含まれていることも分かりました。

この「ポリフェノール」には数多くの種類が存在し、効用も数多くあります。その代表的なものは、脳梗塞や動脈硬化の予防効果、血中コレステロールの抑制効果、肝機能の向上、女性ホルモン様作用、殺菌効果、糖尿病の改善効果、がん予防(消化器系)の効果です。また、細胞の老化を防ぐ抗酸化作用があります。

「サポニン」も持っているこの抗酸化作用というのは、細胞を老化させる活性酸素の働きを抑制する作用です。これを少し詳しく説明いたしますと、わたしたちは呼吸をし体内に酸素を取り入れていますが、一部は体を攻撃する有害な物資である活性酸素に変化し、細胞を老化させる原因となります。切ったリンゴを放置すると茶色に変色したり、ピカピカの金属が錆びてしまうのと同じで、わたしたちの体も酸化し、老化していくわけです。その酸化作用はがんやリウマチ、関節炎、アルツハイマー病などの発症原因にも関係することが分かってきました。また、マリーローランサンの花茎にはビタミンCの10倍もの抗酸化作用の効果がある化学成分が存在することが分かりました。

老化を防ぐ植物のファイトケミカル

わたしたちの体には、先天的に活性酸素に対する防御システムも備わっています。けれどもこれには限界があります。大量の活性酸素が発生すると、体は大きなダメージを受け、確実に老け込んでしまいます。そこで、その体のサビを止めるために、抗酸化作用を有する食品を摂取することが必要となるのです。この活性酸素を消去するものには、SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)をはじめとする抗酸化酵素やビタミンA・C・E、ミネラルなどがあり、最近では植物に含まれる非栄養素成分(ファイトケミカル)や若返りの酵素として話題のコエンザイムQ10などが注目されています。こうした研究を見ますと、らんを原料とした食品類が抗酸化食品となることが期待されます。

こうして日々、マリーローランサンの生薬研究は進められています。この最も進化した植物品種が持つ偉大なる力が解明され、それがやがて私たちの未来に役立つ研究になるとの予感があります。今後とも、皆さまのお役に立つ研究成果を指し示していきたいと願っています。